「郡」とはいったい何だろう
この記事、読み進めていくと「『郡』は昔の名残で、今はほとんど意味はない」っていう結論に達しているわけですが・・・。
しかし、町村の一意性という意味では『郡』は必要なのではないかと・・・。
本文にある、かつて群馬県には3つの『東村』があったという例が示すように、県+町村のみだと区別が出来ない可能性がある。これは、市の名前が日本全国で重複してはいけないのに対して、町村名は重複してもいいことになっているからだ。(ただし、郡内では重複してはいけないはず)
つまり『郡』があることで、町村が他の町村と確実に区別できるという仕組みになっている。その為、今いきなり『郡』を撤廃すると、町村名の変更問題にまで発展しかねない。少なくとも『県内での重複は認めない』という制度改正は必要不可欠になる。
たしかに、現状では『郡』の存在感は薄いのだが、なくなったらなくなったで意外に影響は大きいのだ。
ちなみに、区も町村と同様重複してもいいことになっている。例えば『中央区』は東京都や大阪市の他いくつかの政令指定都市にもある。(町村と同様、1つの政令指定都市では重複してはいけないはず)
東京23区以外の区では県と区の間に市が入るのは、この為だと思われる。(同県の別の政令指定都市で同じ名前の区という可能性がある)
ここから先は推測だが、今までも『郡』がなくなったかもしれないタイミングというのは何度かあったのではないかと思う。しかし、そのたびに町村名の重複(変更問題)の回避の為に生き延びてきたのではないか。
実際、全国的に町村名の見直しなんてことになったらかなりの大事だし、変更を迫られる当事者からは反発も少なくないのではないだろうか。記入が楽になる代わりに馴染みの名称を捨てるというのは、たしかに合理的ではあるが、抵抗感のある人だっているだろう。
こうしてみると『郡』って結構役に立っているんじゃないでしょうか。
・・・なんてお気楽なことを言えるのは、私が生まれてこの方ずっと「市民」だからなのかも(笑